結論から言うとダブルシャーシ採用の場合はワールドディアボロスが若干ワールドスプリガンよりバースト耐性は上に思えるがほとんど変わらず、デザイン・重量・重心なども考慮した上で好きな組み合わせを選べばよいと思う。
バーストの仕組み
ベイブレードバーストはシリーズによって層構成が若干異なるが、大体は写真右側のように上層のレイヤー・中層の金属部品ディスク・地面、スタジアムに接するドライバーの3層構成

超王(スパーキング)シリーズのダブルシャーシはやや例外で左のようにレイヤーとディスクに当たる上層はリングがディスクと一体化・ドライバーの2層構成
矢印が回転方向で左回転と右回転(上からみて時計回り)では、接する部分にてお互いに回転力を与え合う・送り合う方法で衝突する
一方右回転と右回転、あるいは左回転同士のような同方向回転の場合は、接する部分にてお互いに回転を止める方向で衝突する


左側のベイは相手と接する部分は下から上方向↑だが、右側のベイは上から下↓向きで衝突、上層は回転にブレーキがかかる
一方で勢い・慣性を持ったままの中層のディスクや下層のドライバーはそのまま同じ方向に角速度を持って回り続けるため、相対的に上層は逆回転方向に向かうことになりネジ締めのように組み合わさったロックがずれて外れる方向に回転する
それが何度か繰り返され一定の角度を超えると完全にドライバーが外れて分解四散、「バーストフィニッシュ!!!」となる。
バーストの機構
具体的な機構はこちらの写真

左上と右下の段々が刻まれているのがロック、さらに上と下には内側に出っ張りがある扇形の部分
超王(スパーキング)シリーズであればダブルシャーシにロックとスパーキングチップに内側への出っ張り、ダイナマイトバトルシリーズであればDBコアにロックと出っ張りの両方を持つ
ロックは様々で4つで等間隔/溝の深さが同じものや、2つで間隔も溝の深さも異なるもの、矩形でなく角度を持った山形になったものなどなど

例外的にバハムートコア(左下)やケルベウスコア(右下)のようにそもそもロックの溝が一切なく、ラバーで押し付けるという機構のものもある

ロックの部分がバネで押し付けられたドライバーの上面リングの出っ張りにはまり(嵌合し)、「カチカチ」と組み立てるときに音が出る
一方で内側の出っ張りは押し付けられて出てくるドライバーの中心部がくるっと回ってこの下側部分に入りこちらもバネの力で上下に挟み込んで分解しないように押さえつける構造
ドライバー上面、通常時
赤いリング状の所にある2か所の出っ張りがロック

指で少し押し込んだところ

さらに両側の部分赤い部分を一番下まで押し込むとこのようになる。実際にはこの赤いリングの部分はディスクに押し付けられ下がり回して組み立てる際にはこの状態
赤い部分のリングにある2か所の出っ張りがレイヤー側の段々のロックに、ロックと90度の角度にある中心部の青い円柱形両端の出っ張りがレイヤー側の内側出っ張りの内部・下側に組み合わせられる

実際にはこの機構以外にも
・ディスクとレイヤーの重量差
・回転軸に対するブレ
・その他の個々のギミック
例えばワールドリングの両端の押し込まれるとディスクをロックする仕組みやベリアル2/ベリアル3コアの強いシュート時のバーストロック、ムーンディスクの特定レイヤーと組み合わせた際のBUロックなど
もバーストのしにくさ・しやすさに影響が出てくる。
ダッシュドライバー、メタルドライバー
より強い力で上下に挟み込めばバーストしにくくなるので、バリエーションを増やしてバランスを調整するためドライバーには3種類のバネが使用されている
・金バネ
強化されたバネで一番固い。リングが赤い「ダッシュドライバー」はこのバネを使用
ダッシュドライバーは通常の名称に「'」や「~ダッシュ」と表記する
例) V' ヴァリアブルダッシュ
持久・スタミナタイプは強くなりすぎるためかドリフトなどのようにダッシュドライバーがないドライバーもある
・銀バネ
通常のドライバーに使われているもの。ベアリングだけはベアリングダッシュを金バネにすると強くなりすぎてしまいバランスをとるためか「ベアリングダッシュ」という名前でもこの通常の銀バネでリングも赤くない
左が通常ベアリング、右がベアリングダッシュで内部に銀バネが見える

・黒バネ
ベアリングに使われている一番弱いバネ。上の写真では赤プラが不透明のため確認できないが隙間から見ると黒いのがわかる
・メタルドライバー
ダッシュでいうところの赤いロックの部分が金属・メタルになっているもの
ドライバーという低重心に寄与する部分が多少重くなるので効果はある。一方金属で硬くロックの相手が削れてしまうため突起部分が若干滑らかに加工されており、ロックが進みやすく従ってバーストしやすいという短所も併せ持つ
何度も付け外しやバトルでロックが進んだりすると少しずつレイヤー側のロックが削れてしまうため、それを嫌って使わないブレーダーもいる。
低速バースト
同回転の衝突によるブレーキ以外にも、逆回転でも速度差があれば相対的には回転方向に対してブレーキがかかりバーストを誘発することがある
いわゆる「低速バースト」はフルシュートの高速アタッカーなどに対して重量のあるディフェンスタイプなどで"ゆる打ち"してぶつかると、低速側は相手の高速回転でロックが閉まる・止まる方向にエネルギーを得て、高速側は相手の低速回転でロックが進む・緩む方向にブレーキがかかるためこのような現象が起こる。
スプリガンチップとディアボロスチップのバースト耐性
大分説明が長くなったが、これまで説明した機構でバースト耐性は決まるので結局
・ロックはチップではなくダブルシャーシ部分にあるためこの部分でのスプリガンとディアボロスの差は一切なし
⇒ ロックの目が立って硬い2Bシャーシを選択すれば強くなる
・内側の出っ張りのみ形状が異なるが断面の高さ・形状は(目視で確認した限りでは)同等
⇒ わずかにドライバーとの接触面積が大きいディアボロスがわずかに有利
と推測できる
実際にかなり強力な対バースト力を持つアルティメットヴァルキリーをラッシュシュートしてワールドスプリガン、ワールドディアボロスそれぞれにぶつけて10回程度検証してみた (どちらもドリフト、2Bシャーシ)
結果としてはスプリガンが1回だけバーストしたのに対しディアボロスは0回だったが、シュートの仕方やぶつかり方、ダブルシャーシやドライバーのロックの状態にも左右されるのでほぼ同等と言って良さそう。
- 関連記事
-
-
一撃決着! ジャッジメントジョーカー.00T.Tr 斬 2023/04/30
-
ワールドスプリガン・ワールドディアボロス改造・対戦(4) 2023/04/06
-
ワールドスプリガン・ワールドディアボロス改造・対戦(3) バーストの機構 2023/04/03
-
ワールドスプリガン・ワールドディアボロス改造・対戦(2) スプリガンとディアボロスの比較 2023/04/02
-
ワールドスプリガン・ワールドディアボロス改造・対戦(1) 2023/03/31
-
